ノートの言葉たちが勇気と希望を与えてくれる

今回はWBC(ワールドベースボールクラシック)2023年において、侍ジャパンを優勝に導いた監督。栗山英樹さんの著書、「栗山ノート」について要約・解説していきたいと思います。
皆さんWBCは見ましたか?日本中が熱狂の渦に巻かれましたよね。今でもその余韻に浸っている方は多いのではないでしょうか。
大谷翔平選手はじめ、各選手の今後の動向に注目している方もいらっしゃると思うのですが、僕は監督の栗山英樹さんに注目せざるを得ませんでした!
WBCの特番とか、インタビューを聞いていて思ったのは、栗山さんの選手に対する接し方、人相が素晴らしいなということでした。
栗山さんの本があったら読んでみたいということで、WBC後すぐに探して読ませていただきました。
選手達からは「栗山監督のためだったら」みたいな発言も聞こえたので、選手からの信頼が厚い方なんだと思っていました。
そんな栗山さんの考え方は、今の僕にも必要なことなんじゃないかと思ったわけで、この本即買いしたというわけです。
本当にこの本は僕にとって最高の1冊でしたよ!
はじめに
この本は栗山さんが大切にしている言葉を、日本ハム監督時代のエピソードに照らし合わせ紹介しています。
5章に分かれるのですが、今回は各章、一部を抜粋しご紹介していきます。
栗山英樹さん
元プロ野球選手。抜きんでた成績はなく、そしてメニエール病とも戦い、29歳という若さで現役を引退。スポーツ記者を経て、日本ハムファイターズの監督に就任、1度の日本一、2度のリーグ制覇に導いた方です。
現役での実績を重んじられる中、目立った成績を残すことのなかった栗山さんは何故、日本ハムから監督のオファーがあったのでしょうか。
それは、栗山さんの人相が監督という指揮官にふさわしいと認められたからなのではないかと、僕は思います。
実績のある監督であれば、言葉なくしても選手はついてくるが、実績がない監督であれば、それ以外で選手たちに信頼してもらわらわないといけません。
栗山さんは読書好きということあり、『四書五経』などの古典や経営者の著書から抜き出した言葉で、栗山ノートは埋め尽くされているということです。
古くから伝わる偉大な人物の言葉を胸に、日々選手たちや周りの方々へ接し、ここまで上り詰めてきたことが伝わってきます。
結論
人は何歳になっても変われる。
栗山英樹「栗山ノート」
誰かに喜んでもらうことが、人生における最上の嬉しさになっていく。
だから、自分磨きを続けていく。
第一章 泰然と
泰然 = 落ち着き払っていてものに少しも動じないさま。
私の考える泰然とは、相手に我慢をさせないこと。
意思表示のカギを開けるために、力関係を形にしないように気を付けている。自分ではなく周りの人たちの利益を最優先することで、何事にも動じない心が宿っていくと思います。
栗山英樹「栗山ノート」
「しっかり準備してきたはずなのに」「あらかじめアドバイスしていたのに」「自分は一生懸命やっているのに、相手は答えてくれない」
「なぜ・・・」という疑問を抱くのが普通ですが、栗山さんは相手の立場になることを先に考えるようにしているといいます。
「第一章 泰然と」には、12個の偉人の言葉が紹介されています。そのなかから、今回はこちら。
至誠にして動かざる者は、未だ之れ有らざるなり
吉田松陰が大切にしていた、孟子の言葉です。
こちらがこの上もない誠の心を尽くしても、感動しなかったという人にはいまだあったためしがない。誠を尽くせば、人は必ず心動かされるということです。
栗山さん自身は選手を鼓舞する立場ですが、自分自身が頑張らなければどんな叱咤も激励も虚しく響くだけといいます。
自分自身が精いっぱい努力して、選手たちに「一生懸命やる方が楽しい、野球が楽しくなる」と感じてもらうことが仕事。それこそが、選手たちに対する誠の尽くし方であると。
第二章 逆境に
人間として生まれてきたからには、障害にぶつかっても進みたい方向に突き進んでいこう。与えられた使命を全うしよう。
「この道を究めるのだ」との志を立てていれば、突破力が身についていく。
そして、頑張っているあなたを助けてくれる仲間が、必ず現れてくれます。
栗山英樹「栗山ノート」
栗山さんの人生は逆境だらけでした。
テスト生でプロ野球選手になり周りとのレベル差に愕然とし、難病のメニエール病を発症。原因不明で治療が出来なく早期引退。
逆境にさらされると、思考のスイッチはマイナスに入りがちです。「自分には無理」「うまくいくはずがない」といった考えに頭が侵食されていきます。
そういった逆境と戦ってきても、慣れることはないが、逆境への思考のスイッチをプラスに入れることは出来るようになったといいます。
人生二度なし
国民教育の師父と謳われる、森信三氏の有名な言葉です。
明治から平成を駆け抜けた人生は、度重なる逆境の連続だったといわれています。
そんな中「人生二度なし」の信条を追求し、たった1度の人生なのだから一瞬一瞬に生きる情熱を燃やさなければいけないと考えたそうです。
そして、栗山さんの身近にも逞しい突破力を持つ男がいました。
それが「大谷翔平」選手です。
大谷選手がメジャー1年目のオフシーズンの時に、一緒に食事をする機会があったそうです。
そこには、以前と変わらない謙虚で、真面目で、礼儀正しい好漢の姿が。
栗山さんはそんな彼を見て、アメリカという未知の世界で、足掻いてもがいて自分の道を切り開き、心が開かれているなという印象を感じ取ったそうです。
一度きりの人生だから一日も無駄にしたくない。野球への情熱を燃やし続ける。
大谷選手の真っすぐな生き方はとても眩しく、栗山さんを奮い立たせてくれたようです。
第三章 ためらわず
私がためらいたくなのは、「常識を疑うこと」です。
新しいものを生み出すには、定石やセオリーといったものに捕らわれない考え方が必要です。
周囲からの評価を判断基準にせず、明日が今日よりも良いものになるために、自分がやるべきことを躊躇わずやっていきたいと思います。
実直に、愚直に、泥臭く、やり続けていこうと。
栗山英樹「栗山ノート」
人間が出来ないと環境に支配される
環境が人をつくるということにとらわれてしまえば、人間は単なる物、単なる機械になってしまう。人間は環境をつくるからして、そこに人間の人間たるゆえんがある、自由がある。すなわち主体性、創造性がある。だから人物が偉大であればあるほど、立派な環境をつくる。人間ができないと環境に支配される。
安岡正篤さんの名言です。
人間が出来ないと環境に支配されるというのは、環境を言い訳にするということでしょう。
そうではなく、主体性と創造性をフル回転させ与えられた環境を最善のものに近づけていくことが、我々人間のやるべきことと解釈していると栗山さんは言います。
第四章 信じ抜く
相手を信じることは、見返りを求めないことではないか。
相手を信じないことは、自分の心を乱暴に扱うことと同じではないか。
生まれながらに持っている優しい心を、両手で包み込むように育てたい。
栗山英樹「栗山ノート」
人は必ず陰徳を修すべし
陰徳とは誰かに気づいてもらう、知ってもらうことを目的としない善い行い(報酬を求めない)を指します。
人のために何かを尽くすということは表立ってすることではないし、ひけらかすものではない。
思考に私心がなく、自己都合に偏らない行為は、とても気高いものです。
必ず自分に良い流れが来ると信じて、陰で人のためにどれだけ尽くせるか、そのための努力が問われるのでしょう。
第五章 ともに
自分がやるべきことを果たさなければ、誰かを支えることは出来ない。
汗を流すべきは、まず自分からだ。
栗山英樹「栗山ノート」
感動は推進力だ
偉人の言葉ではなく栗山さん自身が唱え続けている言葉です。
栗山さんは、選手たちの心をいつも動かしてあげたいと思っているとのことです。
心が動くというのは内発的な動機を得ることで、自らそうしたい、そうなりたいと勇ましく立ち上がります。
感動を人にぶつけることで、響きあうことが出来ます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
間違いなくこの本は僕にとって最高の1冊でした。
今回のWBC関連で見た、栗山さんの姿や思考はとても素晴らしく、共感できるものがあったので、栗山さんが執筆した本を是非読んでみたいと思ったわけですが、ドンピシャでしたね。
この方の選手を思う気持ち、野球への姿勢は非常に熱いものがあり、周りから慕われる理由がわかりました。
このリーダー論を胸に、私も今後の人生楽しんで生きていきたいなと思った次第です!
是非皆さんも一読してみてください。
ではまた!!!!
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