
ヒルクライムレースに出てみたいのですが、どんな練習をすれば良いですか?

私は最近、FTPが上がらなくて伸び悩んでいます。
強くなるにはどんなトレーニングをしたら良いでしょうか?
以上のような、ロードバイク初心者のお悩みを解決するためにお答えします。
☑ この記事の内容
・おすすめの初心者向け向けトレーニングの紹介
・強くなるためのトレーニングの紹介
※あくまでも僕の経験上の考え方を記しています。科学的なデータ等は理解していないことがあるので、大目に見ていただけると助かります。
こんにちは。keigolianです。
僕は2024年春からスマートトレーナーを導入して、週間で250㎞、月間で900km・30時間のトレーニングをしています。
ロードバイクで強くなるために日々どんなトレーニングをこなすと良いのか。どのくらい走ると良いのか等を調べて、試行錯誤しながらステップアップしてきました。
その経験を生かして本記事では、ロードバイクのトレーニング方法について解説しています。
僕はトレーニングしていて、メニューがわからず「どんなトレーニングをすれば伸びるんだろうか・・・」と思うことがありましたが、試行錯誤して自分に合ったトレーニングを作ってきました。
皆さんも自分に合ったトレーニング方法を見つけて、今よりも強くなりたいと思いませんか?
そこで本記事では、トレーニングメニューがわからない方におすすめワークアウトの紹介や、トレーニングメニューの作り方をまとめています。
特にロードバイクトレーニング初心者にもわかりやすくまとめましたので、是非最後までご覧ください。
サイクリングで強くなるには?

強くなるには、体に負荷をかけ続けなければなりません(負荷を獲得しなければいけない)。
それは1回の練習で体にかかる負荷や、1週間、1か月と長期的にみる負荷も関係してきます。
負荷は、トレーニングをやめると徐々に体に蓄積していたものが減っていき、衰えていきます。衰えるというか、もとに戻ってしまいます。
つまり、強くなるためには継続的にトレーニングを行わないといけないのです。
イメージはこんな感じです。
☑ トレーニングで獲得する負荷の流れ
1. 1日で獲得した負荷は体内に蓄積する。
2. 負荷が体から抜けて無くなる前に、次の負荷をかける。
3. 前より高い負荷に耐えられるようになる。←強くなっている!
このようにして1週間ごと、1か月ごとにどんどん強くなっていけるのです。
強くなるトレーニングとは
今の自分に見合ったレベルの負荷をかけ続ければ強くなることが出来ます。
トレーニングを始めたての頃は、恐らく右肩上がりに強くなっていくと思います。
ゼロスタートなので、トレーニングをすればするほど伸びていくのです。何も考えずに、数をこなせば強くなるイメージです。
しかしある時、成長は止まってしまいます。
負荷のかけ方が間違っているからです。
ロードバイクに乗る体力やパワーは成長しているのに、昔と同じ負荷の弱いトレーニングで終わってしまっているのです。
僕が実際に取り組んでいるトレーニングの種類、そしてトレーニングメニュー(ワークアウト)のつくり方を紹介します。
強くなるためのトレーニングの紹介

体への負荷を知っておかないと、トレーニングの意味がなくなってしまいます。
トレーニングの数をこなしても、体への負荷が無ければ、無駄な時間を過ごすことになるので注意が必要です。
TSS(トレーニング ストレス スコア)を理解しよう
ロードバイクのトレーニングをするうえで、よく耳にするのが「TSS」です。
「TSS」は体への負荷を数値で表してくれます。
※ロードバイクのトレーニングには「CTL」「ATL」「TSB」といった指標もあり、こちらの理解も重要になります。今後上記のキーワードも解説できればと思っています。
TSSとは
TSSとはトレーニングストレススコアの略です。
TSSの数値が高ければ高いほど体への負荷は高いことが示されます。
体に合ったトレーニングでTSSの数値を稼ぐことは、ロードバイクで強くなるための近道です。
ロードバイクのトレーニングの負荷は様々な要因が関係するといわれています。
☑ 負荷の要因
トレーニングの強度、時間、頻度などが挙げられます。
TSSの計算方法
※Zwiftなどのバーチャルライドなら、自動的にTSSが算出されます。
Zwiftについて書いた記事はこちらからご覧ください。
TSSは計算式があります。
☑ TSSの計算式
TSS={( 持続秒数 × 標準化パワーNP × 強度係数IF )÷( FTP×3600 )} × 100
専門用語は簡単に解説入れておきます。
標準化パワーNP | 平均パワー(休憩、信号待ち、下り坂などは除く) |
強度係数IF | トレーニングの強度 (1時間のトレーニングで0.8以上だとかなりハード) |
FTP | 1時間に出せる最大の平均パワー |
TSSが示す 体へのダメージ
TSSの数値は、体に与えるダメージを教えてくれます。
TSSをたくさん獲得すれば、強くなれるという認識で大方正解だと思います。
TSS | 体への負荷、強度、距離・時間の目安 | 回復に要する時間 |
0~150 | 低い 60㎞前後、約2時間の走行 | 約1日 |
151~300 | 中程度 150km前後、約4時間の走行 | 約2日 |
301~450 | 高い 250km前後、約6時間の走行 | 数日間 |
451~ | 非常に高い 上記以上の走行距離と時間 | 数日間経過しても 疲労が残るときがある |
TSSの獲得はあくまでも目安
TSSを沢山獲得すること。
これは、強くなるための近道であると僕は思っています。
しかし、最初に申し上げたように
強度、時間、頻度で算出される数値であるので、今のレベルに合ったトレーニングを積み重ねないと成長は出来ません。
トレーニングを重ねるごとに、自分に合ったメニューを選択して、効率良く強くなりましょう!
おすすめトレーニング
僕はスマートトレーナーで「Zwift」を使用してトレーニングメニュー(ワークアウト)を作り、計画しています。

基本的にはパワー(ワット)を計測しながら行うトレーニングが一般的だと思います。
☑ トレーニング方法は3つ
1. スマートトレーナーを使用する(インドアトレーニング)
2. パワーメーターを使い実走する
3. 上記を使わず、感覚で実走する
スマートトレーナーは天気が悪くても使えるのでおすすめです。
パワーメーターを持っていれば、実走でもパワーの確認ができるので、外に走りに行ってもトレーニングが正確に行えると思います。
※Zwiftなどスマートトレーナーを使う方は、ERGモード(ケイデンスに基づく特定の目標ワット数調整)を解除してください。完走しやすく、ワット数の把握やペダリング技術の向上、余裕のある時はパワーを上げてトレーニングすることも可能になります。
Zwiftで初心者におすすめのトレーニング
初心者の方は週間TSSを300前後獲得すれば、右肩上がりで成長していくと思います。
無理しない範囲でコツコツと、継続することに体を慣らさせてください。
☑ おすすめトレーニング ( Zwift既存のワークアウト )
1. SST(ショート) TSS:66
2. Z2 Cadence Changes TSS:32
ワークアウト名 | 時間 | 獲得TSS | 格納されているカテゴリ | 特徴 |
SST (ショート) | 50分 | 66 | 30-60 minutes to burn | ロードバイク界隈では有名な、 Sweet Spot Trainingと言われる かなり辛いけど、 頑張ればこなせるワークアウト。 最初はとりあえず これをやっておけば間違いない。 |
Z2 Cadence Changes | 50分 | 32 | Endurance | L2と言われる強度のトレーニングで、 会話が出来るくらいの息遣いで走れる。 リカバリーライドともいえる。 SSTで追い込んで体が疲れていたら、 このワークアウトで回復して 体調を整えると良い。 |
僕のおすすめは、トレーニング開始して間もない時はSST後に疲労感が残ると思うので、SST直後、もしくは翌日にZ2 Cadence Changesを行って回復を優先してください。
慣れてきたら続けてSSTを走れるようになるので、出来ればSSTを実施します。
体調を見ながら、厳しければZ2でリカバリーという感じです。
最初の1か月は、とりあえずTSSの数字を獲得すればするだけ強くなります。
脱初心者!Zwift おすすめのトレーニング(ワークアウト)
乗り込んできた方には、カスタムワークアウトで自分に合ったトレーニングメニューを作ることをお勧めします。
強くなるにつれて、より成長するには体にかける負荷の量も増やす必要があります。
同じ量のトレーニングで成長するには限界があり、成長の限界に達したら、トレーニング量や質も増やさないといけません。
カスタムワークアウトのメリットは以下です。
☑ カスタムワークアウトのメリット
1. 自分の体(能力)に適したメニューを作ることが出来る。
2. 自分の生活に適したメニューを作ることが出来る。(隙間時間の活用が可能)
3. 自作するので、モチベーションが上がる。
既存のトレーニングメニュー(Zwiftワークアウト)は、長時間同じワット数・同じケイデンスの続くメニューがほとんどありません。
常にモニターとにらめっこで、せわしく変化するワット数・ケイデンスに対応しないといけません。
そこを改善してくれるのがカスタムワークアウトだと思います。
そして、隙間時間でもトレーニングが出来るようなメニューを作れるのもカスタムワークアウトの良いところです。
おすすめ!カスタムワークアウト
TSSの獲得を目標にしてやっていくのであれば、時間・強度・頻度を良い塩梅に取り入れなくてはなりません。
僕のカスタムワークアウトは、
☑ ウォーミングアップ時間を設ける
☑ 出社前や帰宅後の隙間時間でも走れるように短時間(1時間~)ワークアウトも取り入れる
上記を意識して作成しています。
アップを入れることで本題のワークアウトを効率化できます。そして、時間のボリュームも稼ぐことが出来るのでTSSも増えます。
そして、仕事などで毎日暇ではないですから、隙間時間を利用してトレーニングするためのメニューを意識して作っています。
☑ keigolianオリジナル カスタムトレーニングメニュー(Zwift ワークアウト)
1. 15mins FTP x2 sets
2. Tempo 10mins x4 sets + Vo2MAX
3. Clearance 12mins x3 sets
4. 3hours ride Z2-Z5
5. LSD Z2 2hours ride
1. 15mins FTP x2 sets
序盤に30分のLSD(Z2域)、そこからFTPで15分間走を2セット行います。セット間はZ2未満で5分間の休憩を入れて、2セット目に備えます。
SST(ショート)よりも少しハードなトレーニングで、時間は1時間です。
2. Tempo 10mins x4 sets + Vo2MAX
FTPの約85%(テンポ走)で10分間、L2域で5分間を4セット行った後、VO2maxを4セット入れた、2時間のトレーニングです。
SSTよりもイージーなテンポ走と、休憩挟んだ後のVO2maxなので、翌日に疲労の残さないトレーニングであると思います。
3. Clearance 12mins x3 sets
45秒のVO2max、2分15秒のテンポ走(FTPの80%)
これを交互に12分間行います。
セット間はL2走を5分間でレストして、3セット繰り返します。
テンポ走をベースとした1時間トレーニングなので、強度も低く翌日の疲労も残りませんから、隙間時間にTSSを稼ぎたい時にはもってこいです。
4. 3hours ride Z2-Z5
合計3時間、100㎞走れるロングライドの中に、今まで紹介したトレーニングを織り交ぜた、TSS200の獲得が可能なハードトレーニングです。
30分間のL2走
VO2max40秒・レスト20秒を4セット
L2走でレスト
FTP20分走を2セット
レストを挟んでテンポ走を20分
最後にL2走を20分
終わった後はへとへとですが、これは達成感と充実感を満たしてくれる最高のトレーニングです。
5. LSD Z2 2hours ride
完全休養はしたくないけど、心拍数は上げずに走りたい。そんな時にこのLSD(L2走)がおすすめです。
☑ 1時間、1.5時間、2時間のメニューを作っておくと、隙間時間に乗りやすいと思います。
出勤前や帰宅後に、次の日の仕事に疲れを残さずTSSを少しでも獲得したい時に乗るといいと思います。
L2走は疲労回復や、体力の基礎を作ってくれるトレーニングともいわれているので、何もしないよりはL2走をやった方が良いでしょう。
怪我をしないように、効率の良いトレーニングしましょう!

ここまでTSSを効率よく稼いで強くなれるトレーニング方法を紹介していきました。
TSSだけを考えていると、オバーワークになってしまい怪我をするリスクは高くなります。
休養することも大切なので、L2走や1日完全休養も忘れずに行い、効率よくトレーニングをして強くなりましょう。
再度まとめると、おすすめのワークアウトはこちらです。
☑ Zwift既存のトレーニングメニュー
1. SST(ショート) TSS:66
2. Z2 Cadence Changes TSS:32
☑ 筆者オリジナル トレーニングメニュー (Zwift ワークアウト)
1. 15mins FTP x2 sets
2. Tempo 10mins x4 sets + Vo2MAX
3. Clearance 12mins x3 sets
4. 3hours ride Z2-Z5
5. LSD Z2 2hours ride
そして、強くなるためには下記を意識しましょう!
・体への負荷、TSSを理解する
・自分に合ったトレーニングを理解する。
自分の今のレベルを理解して、正しい負荷をかけることはトレーニングの基本です。正しい負荷でなければ、成長はしませんし時間の無駄になってしまうので注意が必要です。
まだ機材がそろっていなくて、トレーニングが始められないという方、まずはスマートトレーナーの準備から始めてみるといいですよ。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
皆さんがもっとトレーニングに興味を持って、強くなってもらえたらうれしいです!
それではまた!